秩父３４観音（２巡目）（４）

区切り４回目（３１～３２番札所）

2014年10月21日

　西武秩父駅7時11分着。小雨の中お花畑駅に移動。
駅舎内には多くの通勤通学の乗客がホームに出ずに待機。50代かと思われる駅員が一人盛んに皆に朝の挨拶をしている。好感！
熊谷方面行きの電車に大多数の乗客が乗り込み出発した後、数分して同じホームに三峰口行きの電車が到着。
こちらは1車両10人足らずの乗客で7時25分に出発。
先日歩いた遍路道を車窓から確認するとも無く眺める。
白久駅にて黄色い雨合羽を着、雨傘を手にした10人前後の小学生が元気良く『おはようございます』と乗り込んできた。思わずこちらも挨拶を返す。
早朝　三峰駅駅頭

　次の終点三峰口駅にて、駅員にトイレの場所を尋ねて用を済まし、駅前の観光用マップを確認し、乗客の一人も乗っていない、両神行きのバスが停車しているのを見定めて線路沿いに西に向かい歩き出す。
　幸い雨は止んでいるが路面は濡れたまま。
　100メートル程前方に先程の小学生の一段が緩やかな坂道を登って行くのが見える。　寒い、　ショルダーバックに万一を思って入れておいた白手袋を取り出し身につける。　　

先程のバスが追い抜いて橋を渡っていく。　自分も白川橋と記された荒川を跨ぐ橋を渡る。

　下流側　山並みに雲が白くかすむ様は墨絵のようであり、見事。　橋を渡りきった所に31番札所への道標が掲げてある。

躊躇したが、歩速を速めて、歩道橋を渡る小学生群の後を追い、やがて追いつく。
　列の最後部を歩む婦人に『先生ですか？』と声を掛けると『いえ、　保護者です。』との答え、毎日登校時交代で　児童たちの安全確保のために同行しているとのこと。
　自宅から白久駅までの距離は別として　三峰口駅から20分近い小学校までの道のりを同行する様を見て、都心部に住む自分等が如何に恵まれているかを実感。
小学校正門前を過ぎて県道に合流して暫く歩くと右側に31番札所への分岐道標を認める。
しかし、雨上がりの水滴をつけた雑草が両側から覆い被さる小道にハイキング靴で入るには蛇等との遭遇も予測されるので舗装された県道を直進することにする。以後1本道。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　白川橋上より荒川下流を臨む

　　トンネルを越えるまでは　里山田園地帯のハイキングコースを歩く感じだが、小鹿野町に入ると味気ない単調なゆるい下り坂となり、やがて、両神の市街地に入る。
　　気温も上がってきたので手袋を仕舞う。
　　此処まで、先程の小学生の集団登校の他、追い抜き追い抜かれ、または擦違う歩行者は皆無。

　三峰口駅を出てから約1時間半程で薬師の湯、道の駅に到着。火曜日定休とのことで閑散としている。トイレで用を足し、小休止後出発。

　15分ほどで両神庁舎前に至り、道標に従い左折し、両神中学校の処で右折し、市街地から再び田園地帯に入る。　

　ここから先　暫くの間表示される幾つかの道標には31番札所観音院の名が無く、他の神社寺院の名で示されるので困惑。
　方向を略真北に定めて見当をつけて農家の庭先を通り、大凡東西に走る舗装道路に出る。
前回受領した札所周辺案内図に基づき、右折すると漸く31番札所への道標を見つけ左折して熊注意の立て札のある『権五郎落峠』の車道を登る。
　一応念の為と、妻から借用してきたカウベルをショルダーバックの内袋より取出し、外の肩紐に装着しなおしたが　何と言うことは無く、無事に飯田橋と言う名の橋を渡り右折して再び人家の散在する里山に至る。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　薬師の湯道の駅

　　ガイドマップによると、そろそろ舗装道路から観音院へのわき道に入る筈と、途中の郵便局に入り、道を尋ねる

職員は『すぐ其処の道を左折すれば行けますよ』と僅か10ｍ余先の路地を窓から指し示す。苦笑し、礼を述べて退出。　

ダラダラ坂を登ると幅50cm程の水量豊かな農業用水に出逢う。
秩父盆地にはこのような用水網が車道とは別個に人目に付かず随所に敷設されているのであろう。
やがて、遍路道は栗尾バス停から31番札所観音院へと通じる道へ合流する。
　水子地蔵寺の前を通り、トンネルを潜る。このトンネルは平成になってから完成と記されている。昭和の時、地蔵寺から観音院へはどの程度の山越えをしたのであろうか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小鹿野農業用水
　

　31番札所観音院山門前に午前11時丁度に到着。
　三峰駅前を出発してからの所要時間3時間12分。
　此処から鐘楼前までの石段の数が般若心経の文字数プラス？　とのことで、心経を唱えながら石段を上る。
　しかし、途中　上から降りてくる　ご婦人方の挨拶に応えるため、何度か中断し、再開を繰り返し、次第に歩むテンポと合わなくなって　結局　かなりの段数を残して、唱え上げてしまった。
　今回も鐘楼にて鐘を撞き、本堂向拝にて読誦。
　納経所の係りの方に伺うと、依然　西奥の院へのルートは閉ざされたままとのこと。
　東奥の院のみ巡って再度急な石段を降り、山門脇の売店にて　地元産の果実の有無を確認するが該当品無し。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　31番札所観音院山門

　　

　　お茶の接待を受けて、『次（の札所）まで 25分程度ですよ』との声を背に出発。
(私を車遍路と誤解したようである。)

前回と同様、今回は　大日峠越えのために山門脇に準備された巡礼杖を拝借する。時刻は12時2分。
　途中の蕎麦屋に『出来るまで　どの位　掛かりますか？』　と聞くと　『40分ぐらい』　とのこと。
　昼食を蕎麦にするのを諦めて小鹿野町役場を目指す。
原町辺りから小鹿野町の中心部に入ったようで　商店が並ぶ。　しかし、居酒屋系はあるが、昼食を供する店は見当たらない。シャッターを閉じた店が目立つ。.
31番札所観音院境内

　やっと1軒　わらじかつ丼　の幡を掲げた蕎麦屋を見つけ、わらじカツ丼を注文。美味。
　県道を記憶を頼りに歩き、本来小鹿野郵便局の処で右折すべきところ、見落として警察署のところまで来て右折し、橋を渡って観音院山門出発後約2時間後に熊注意の標識のある山道入口に至る。
　カウベルの装着を再度確認し、巡礼杖を頼りに一歩踏み出す。
　今朝まで降っていた雨のため、ぬかるんだ泥地の上の落ち葉を踏みしめ、陽の翳った山の東北側斜面に刻まれた小道を辿る。
　ベルの音、杖の岩を叩く音にも慌てず、道を譲ろうとしない小さな蛇を杖で横に追い遣り進む。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大日峠入口

　　時刻的に峠からこちら側に下る歩き遍路者は来ないと予測されるため、小休止の間も意識してカウベルを鳴らす

　山道に入って35分後大日峠に到着、地蔵尊に黙礼。
峠からの下り斜面は木々の間から陽も射し、地面も比較的乾き、沢渡りも無い為、リズムをつけて一気に一般車道まで下る。
　その後10分ほど平坦地を歩いて15時4分に32番札所法性寺山門に到着。
山門脇の杖置き場にお世話になった巡礼杖を返却。
　境内観音堂に靴をスリッパに履き替えて参内、読誦。
今回は奥の院には廻らず、納経所にて御朱印を受ける。
　4年前に利用した札所、松井田間の町営バスが廃止されているのが判っていたので、係りの方に松井田バス停までの道順を尋ねると　
３２番札所法性寺境内

。

　『寺の前の道を真っ直ぐ行けば松井田のバス停で4ｋｍあるが、秩父の駅に出るのならば途中、中学校の所からバスが出る。今からなら丁度間に合う』と　教えて頂く。
　15時45分に山門前を出発。
　途中無人スタンドで1袋200円の銀杏を購入後、　電動アシスト車椅子の老婆と一緒になり、先程の秩父駅行きのバス停の所在について丁寧な説明を受ける。感謝。
　長若中学校前バス停に16時4分に着。
　これから30分程歩いて到着する松井田バス停の正確な時刻表も不明なため、10分ほど待って小鹿野町町営バスに乗る。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３２番札所法性寺観音堂

　バスは見覚えのある区切り2回目で歩いた酒造りの森を経由して巴川橋を渡り、市街地に入り、八尾百貨店の角を右折したため、次のバス停で降り、13番札所慈眼寺の前で黙礼し、西武秩父駅に17時前に着く。

（後日　ネットで確認すると、町営バスは1日5往復で平成26年11月からはダイヤが改正されている）

（西武秩父駅 start goal にて　44854歩 )

秩父34観音（2巡目）５日目