江戸33観音（2巡目）（4）

区切り４回目（20,22,24,30,31番　＆　番外札所）

2015年５月１１日

　種々の事情で各交通機関に遅れが生じていたが、京浜急行青物横丁駅改札口前９時丁度に全員が集合できた。　　

　　　　　　　番外札所海雲寺本堂
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３１番札所品川寺境内
　　　　　　　　　　　　　

　ラッシュアワー時の通勤客の流れに乗って狭い階段を降り、正面の塀に沿って反時計周りに廻ると旧東海道に出る。
　尚　左折すれば、江戸３３観音の唯一の公認番外札所の海雲寺の山門。
　数年前の初回訪問時では、寺務所が施錠されており、御朱印の記帳が不可能であった思い出が強く、今回は本堂向拝にての拝礼のみとした。
　尚　この寺は三宝大荒神を祀っており、境内には役の行者の像がある。。
　

　旧東海道を日本橋方面に数十メートル下ると３１番札所品川寺に着く。立派な鐘楼があるが楼内には入れない。代わりに本堂向拝の左右に径数十センチの鐘が設置されており、撞いた後、許可を得て外陣畳上にて読誦。
　境内にある掲示板説明文には　当寺の鐘が幕末の混乱期に行方知れずになっていたが、大正八年にスイスのジュネーブ市に在ることが判明して市の好意で、品川寺に返還されたとの記述。
　品川区は　故に付近の都道421号線をジュネーブ平和通りと命名している。

　ＦＣ東京の支援の小旗に飾られた街路灯が両側に立つ旧東海道の中央部車道は下り方向のみの一方通行路となっており、電線、電話線等は地下化されているためか、見当たらない。
　両側の家並も高さを規制されており、非常に歩き易いハイキングコースである。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ジュネーブ平和通り標識

　要所には浜松市から寄贈された松が植栽され、周囲景観に合った公衆トイレも用意されている。　　『　この通りには鮮魚屋さんが多いね　』　等と話しているうちに、３０番札所一心寺に到着。

　狭小な境内に立てられた立札を読むとこの寺は平成の世になってから、３３札所の一つとして認められたとのこと。
　其れ以前の３０番札所をどこの寺院が担っていたのかや、認められた主因や経緯などの主要な点は一切記載無し。　　

　　　　３０番札所　一心寺

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　品川神社お富士山よりﾚｲﾝﾎﾞｳ橋を臨む

　外陣には入れず、一同向拝にて読誦。　本尊はお不動さんで　観音様は右脇の向拝からは見えない位置の厨子の中に在るとのこと。
　係りの男性の説明によれば、当寺は東京で唯一の成田のお不動さんの別院とのこと。板橋区赤塚の成田不動尊別院や深川のお不動さんとの関連を尋ねたが明快な回答は得られず、深くは聞かずに退出。

　東海七福神の布袋様が祭られている　至近な距離の静謐な養願寺に立寄って参拝後　品川神社の参道に出る。
　以前も訪れた東京１０社の一つ品川神社の石段下に第一京浜を横切って到着。
13番札所護国寺の時と同様、境内のお富士さんに今回も皆と登る。
　頂上の眺望良く、レインボーブリッジがビルの合間に見える。

　境内の江戸町火消しの碑などを見て、参道横の京浜急行・新馬場駅から乗車、
　途中乗り継いで都営地下鉄御成門駅下車。　愛宕山下の２０番札所天徳寺に向かう。

　　山門を入り、右手の木造平屋建ての玄関脇のインタフォンにて　江戸３３観音の札所巡りに訪れたことを告げる。
　　取込中なので暫く待つようにとの返事を得、玄関前にて待機。落葉樹の木立越しに左奥に鐘楼が見える。

　　　　２０番札所天徳寺山門
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　天徳寺境内の緑陰

　振り返ると山門脇に幾つかの古びた石碑が立つのを認める。多くの木々に阻まれて玄関前からは周囲のビルは見えず、周囲の騒音も聞こえない。
　此の地が港区虎ノ門であることを忘れ　武蔵野の雑木林の中にいるかのような錯覚を覚える。１０分ほど待った後、再度インタフォンのボタンを押す。
　程なくして、玄関のガラス戸が開き、中年の女性が　『お待たせ致しました　』と恐縮して挨拶された。
　『　観音経を読誦したいのですが・・』と告げると、『　それでは　暫くかかりますね、　よろしければ　納経帳を　おあずかりしますが　・・　』　と応えられ、　お言葉に甘え、各自　納経帳を預け、室内左手の本尊前に案内される。
　何時もと同様、懺悔文、開経偈、観音経全巻、心経、回向文　と読誦し、各自　故人への偲を念じ終わる頃　奥より先刻の女性が納経帳を抱いて現れ再度　『　お待たせ致しました　』　と丁寧な挨拶を受ける。
　本尊前に供えられていた『こころの暦』を一同拝領し見送りを受けて礼を述べて退出。　隋道を戻り新設のエレベータで　愛宕山頂へ登る。

　ＮＨＫ放送博物館は月曜で休館であったが、頂
上のベンチは昼食の弁当を広げるオフイスレデイ達
で満席、男坂（出世の石段）からはワイシャツ姿の
男性達が引きも切らず登って来る。
　自分等も神前で拍手を打って頭を下げ、西側の
急傾斜の石段を降りて、先程の隋道入口の脇に
再度出る。
　昼飯の場所の選定で土地勘のある何人かから
の提案がなされたが、結局前回、店の前を素通
りした老舗の蕎麦屋と合意。
　未だ、昼食の時間帯であったため、店先で暫く待
ってから、テーブルに着く。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　愛宕神社

　食事をしながら今日の残りの２２番と２４番の巡る順序について皆の希望を聞き、又次回最終回の行程に
ついても腹案を尋ねる。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　

　結局　　都内で最も運転間隔が短い都バスルートを
利用することとして　虎ノ門から乗車し、南青山七丁目
停留所で下車。２２番札所長谷寺へ向かう。
　山門を潜り、すぐ右手の観音堂内には、大和長谷寺、鎌倉長谷寺の観音様と同規模の木製観音像が
粛然と立つ。　

　　　　　　 22番札所長谷寺本堂
　　　　　　　　　　　　　　　長谷寺観音像

　香淳皇后（昭和天皇皇后）の御顔がモデルとなったと何処かで読んだことがある。
明るい陽射しを一杯に受けたふくよかな感じのお顔である。　堂内にて一同読誦。

　　別棟にて御朱印を頂き、その後、改めて本堂に参拝し
て退出。
　当寺の裏側が根津美術館の庭園と隣合せになっているの
を承知している同行の１人が　『根津美術館に寄る？』　と
聞いてきたが月曜で休館日のため、山門を出て左側に曲が
り近道をとることにした。

　青山墓地の西側、外苑西通りを歩いて　途中右折して　
青山公園を右に見て、国道246に出る前に２４番札所梅窓
院の受付に脇道から到着。

　受付に納経帳を預け、近代ビルの1階に在る観音堂に入
る。
　4番札所のの回向院を想起する。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２４番札所梅窓院山門

　

　整然と並ぶ椅子席の前に　スポットライトを浴びる観音像が
立つ。　
　一同、或る者は立ち、或る者は着席して、読誦。
　堂内暗く、経文を読み慣れていない皆には文字を追う作業
は辛かったかと思う。
　納経帳を受領し、手入れされた孟宗竹林を抜けて、喧騒な
国道246青山通りに出る。
　青物横丁駅改札口から此処まで万歩計の値　約12700
歩。
　此の後、同行の１人の菩提寺に立寄り、流れ解散。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　梅窓院観音像
　。

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