一隅を照らしたい凡人の札所巡り
鎌倉33観音（１）
| 区切り１回目 （１，２、６〜１０番札所） |
|---|
2015年１２月５日 |
|
|
内所に寄ったが開設は１０時からとの表示。 改札口に戻り、駅員に『観光の地図はありますか？』と尋ねる。 駅員は心得顔で傍らから変形折畳式のフリーペーパーを差出す。（内容は、夕方５時前に観光案内所に て受領した案内図よりも札所巡り用として適切であった。） 数本前の電車で既に到着していた仲間と定刻前に合流し、今日の行程は原則徒歩と確認して、小町通 りを歩き出す。 |
|
| |
| 突当り、鶴岡八幡の太鼓橋の前に出る。 七五三の着物姿の女の子が両親と一緒にカメラに向かってポーズを取っているのを眺めながら、信号の変わるのを待ち、狭い歩道を縦一列になって歩む。 |
|
この札所には今回で3度目、1回目はツアーの一員として何も判らぬままに押し出され、2回目は本堂修復中で、雑踏の中、後ろから押され、本尊の前にて立ち止まることも叶わず、慌しく通過した記憶がある。 今回は幸い、前立観音の前にて読誦後も、堂内にあまり参詣者は居らず、同行の徒とゆっくり、3体の十一面観音像と対面することが実現。 納経所にて御朱印帳を受領し、帰途、運慶作と云われる仁王像を鑑賞し、下山。 １番札所杉本寺本堂 |
|
 杉本寺仁王門吽像 杉本寺仁王門阿像 |
|
| 先程の岐れ道まで戻り、右折して 『 至る瑞泉寺 』 の標識を確認してバス通りを鎌倉宮まで行き、突き当 たって反時計周りに迂回する。 ほどなくして、『 至る杉本寺 』 の標識を右側に認める。 過日の記憶に拘り （駅員さんから受領したMAPにも記載されていた経路を辿らず） 態々遠回りして来たこ とに気付く。 皆に失態を詫びて6番札所瑞泉寺に到着。 受付にて入園料200円を払い、灌木に覆われた緩いカーブの石段を上ると 吉田松陰の碑を左に見て、夢 窓国師作の庭園に入る。 |
正面本堂の裏に回ると、山腹を削り取った、一見磨崖仏 の洞穴を思い起こす特異な風景が現れる。 崖の手前には手摺の無い簡素な橋が人工の峡谷に架け られている。 (後日。確認すると、この庭園は市内にある国指定３名勝 の一つとのこと） 皆と同じく写真を撮ろうとしたが、構図が決まらず断念。 庫裏にて御朱印帳を預け、本堂の前に戻り、わずかに開 けられた扉の奥に観世音菩薩を認め 端に寄って皆と観音 経、心経を読誦。 境内には水仙が多く生え、帰り際に入り口受付に訊くと『 花の見頃は来月かな 』 とのこと。 先程の標識の処で左折して小学校の角を曲がり、杉本寺 の前を通って10番札所報国寺に至る。 6番札所瑞泉寺本堂 |
|
| 門前の駐車場から人の波、境内の歩道は至る所 所在無げな観光客で埋まる。 辿り着いた本堂玄関左手の納経受付所に ３３観音用と念を押し、御朱印帳を提出しながら本堂内に て読経が可能か否かを伺う。 |
経は本堂玄関前にてあげて下さい』とのこと。 御朱印帳の受領も30分は要するとのこと。 承知し、玄関脇にて観音経偈と心経のみ読誦。 周囲慌しく集中すること叶わず。 仲間と 『 鎌倉にて土曜休日の札所巡りは無理だ ね！』 と肩を落とす。 ３０分も待つのは時間の無駄と 次の札所に向かおう としたが、納経帳無しではそれも叶わず、やむを得ず、 その間裏手の竹林を巡ることとして200円の拝観料を支 払い、ゲートを通過する。 竹林内も人の列が続く。 10番札所報国寺本堂 所々に配置された床几やベンチも満席、写真を撮る気にもなれず、人の波に押され、一周して僅かの空 間を見つけて休息。 30分経過を確認して納経受付所にて引換え券を提示して、同行四人の御朱印帳を受領。 受付の婦人は 『 先程、購入したばかりで、名前も記載されていないようなので・・・・』 と芯先が程良く削ら れた鉛筆を差出す。 恐縮して借用してその場で各自御朱印帳裏表紙に名前を記載し、雑踏の中、滑川を渡る。 |
|
| 迂闊にも つい先日まで鎌倉五山五位のお寺さんの名を浄明寺と思い込んでいた。 四十年程前（ 当然 自分が未だ、巡礼や札所巡りに関心を持たなかった頃）、母の実家が文京区大塚 からこの 浄明寺地区に引っ越してから 『 浄明寺 』 という文字文言を無意識に数十数百回も読み、書き、 打ち込んできたことにより、鎌倉33観音９番札所の名も自然と 『 浄明寺 』 と受け容れてしまった。 それにしても、何故 浄明寺と浄妙寺とを使い分けているのであろうか？ （尤も、これによく似た例で、東京狛江市和泉地区に『伊豆美』神社が在る） |
する。 本堂の扉は半開だが、内部は暗く本尊の確認は困難。 一同正面賽銭箱の斜め前にて読誦。 境内本堂裏手の墓地の一角に尊氏の父親の足利貞氏の墓 が在る。 足利家の菩提寺は、鎌倉時代は足利市の鑁阿寺があり、 室町時代は京都の等持院が在る。 なぜ、貞氏がこの浄妙寺に眠っているのか興味がある。 （貞氏の没年は、楠正成が赤坂城で戦い、後醍醐天皇が捕 らわれたのと同年の元弘元年） 境内左手に向かい観光客が列を成して歩んでいる。 先には茶室が見える。 先を急ぐため、途中で引き返し、北側の坂道を登る。 洋風の館が在り、手前に設置された いくつかのテーブルにも 観光客が憩い、軽食を摂っている。 華やかで まぶしく、「札所」という言葉の持つ静謐な風情はな い。土日休日は 斯様に常に殷賑？ この近くには他に店もなく、付近の蕎麦屋に向かう。 相変わらず混んでおり、２０分程待って店内に入り、ボリューム 満点の牛蒡天蕎麦を食して小休止。 ９番札所浄妙寺山門 蕎麦屋から10分足らずで、７番札所光触寺に到着。 これまでの喧騒が嘘のように境内には本堂前に先着の２名のみ。 |
|
らも一緒に提出しようとしたら 『 のちほど 』 と断られ、僧侶は本 堂の内部に入り、障子戸を閉める。 先着の２名は偶々このお寺にて一緒になったとのことで、我らと ほぼ同年齢の男性は 今日は このお寺にて１０幾つ目だと、誇ら しげに朱線の記入された地図を見せる。 見ると３３観音以外のお寺さんやお宮さんも囲ってある。 『 この地図は 何所で入手されたのですか？』 と伺うと、傍らの 年配の女性が、『 駅の観光案内所で貰えますよ。良ければ、私 の１０月号だけど余分に有るからどうぞ！』 と差し出す。 礼を述べ受領。裏面は毎月代わるが地図は同じとのこと。、 ７番札所光触寺本堂 僧侶が障子戸を開けて姿を現し、彼らに御朱印帳を返却し、我等から４冊受取り、奥に戻ろうとする。 『 お経を読まさせて頂く間、障子を開けておいて頂けますか？』 と声を掛けると、振返り、無言で、隙間を３ ０センチ程作って、奥に入る。 隙間越しに内部を覗くが暗くて像の詳細はよく分からない。 読誦を始めると右手の庫裏の方から電動鋸のような音が聞こえてきた。 大工仕事か植栽か良く判らず。断続する鋸音に合わせて読誦。 回向文まで唱えて気が付くと、先程の僧侶が障子の外、縁の上にて納経帳を手に待機していた。 お寺は時宗で境内には独特な顔立ちの一遍上人の像が建つ。 |
御府内４１番札所密蔵院と同じく、冠木門を 備える山門前では、喪服姿の男女が数人タク シーに乗車するところであった。 『境内撮影禁止』の立て札。 入ってすぐ左が納経所と記された庫裏。 此処は鎌倉１３仏の１番札所でもあるので、 『 ３３観音 』 と告げて御朱印帳を提出。 『 本堂内にてお経をあげられますか？』 と問 うと、毎月２８日は可能だがそれ以外は開帳し ていないとのこと。 本堂には五大明王を祀っているが、観音堂 は別途向かって右手にあるとのこと。 後日 記憶を辿ると、何故か本堂向拝にて 観音経を読誦し、不動真言を唱えた後で、観 音堂の前では心経のみを唱えたように思う。 機会があれば、再訪し、観音堂前にて観音 経全巻を読誦したい。 庫裏にて１３仏霊場巡拝のマップも受領して 退出したのが１５時２０分。 ８番札所明王院山門 当初の予定を丁度１時間超過しており、同行の皆に、今日の巡礼はここで中断とするか、予定通り次の ２番札所宝戒寺に向かうかを問う。 一同、兎に角行ってみようと滑川沿いの県道２０４号線を駅に向かって戻る。 |
|
| 途中バスに乗れればと 淡い期待をもっていたが、浄明寺バス停にて40〜５０人の待機者の列を見て、お 寺さんまで歩き徹すこととする。 |
見ながら、また先行するハイキング姿のグループを会釈して 追越しながら、結局 路線バスには抜かれず、２番札所宝 戒寺に１５時４５分到着。 受付係員は丁度 小屋から退出するところであったが、戻 り、我々に入園の栞を提供。 山号は浅草寺と同じく金龍山。 市街地の寺院としては境内広く、西洋人が数人佇んで居 る。 本堂外陣右側の納経受付にて御朱印帳を預け、正面 本尊前にて一同読誦する。 回向文までを唱え、御朱印帳を頂きに戻ると係りの方か ら、『 向かって左側が 准胝観音ですよ 』 と告げられる。 あらためて、『 御本尊様は？ 』 と伺うと、『 地蔵菩薩で す 』 とのこと。 再度、准胝観音像の前に戻り、偈を唱える。 ２番札所宝戒寺本堂 係りの方に改めて配慮を謝しながら伺うと 当寺は鎌倉２４地蔵尊の１番札所でもあるとのこと。 境内右手には聖徳太子堂がある。 帰途、何もない東勝寺跡を見て、鎌倉駅まで戻り、観光案内所にて観光案内図１２月号を受領。 本日の歩行数は 駅出発から到着まで２４０００余歩。 １７時５分発の電車に乗る。 ２日目へ 鎌倉３３観音TOPへ 観音巡礼TOPへ TOPへ |
|
| |
