西国３３観音（詳細５）

区切り５回目（32，31，13，14番札所）

2011年11月5日

　深夜バスにて早朝、草津駅前に到着。　朝一番電車に乗り安土駅に6時13分着。
　駅北口の改札を出、歩行者用隧道を潜り、南側に出、地図を頼りに歩行者皆無の平坦な田畑の中の県道を歩く。
　恐らく昔は湖底であった田畑の中に朝靄に浮かぶ幾つもの木立ちに覆われた小山が左右に散在している。
　左奥のそのうちの一つが目指す観音正寺であろうと見当をつけて歩く。
　市役所安土支所前を過ぎて左折し、疾駆する新幹線を横目に田園地帯を歩く。
　途中観音寺城跡の車用道標を無視して横切り、石寺集落に入り、朝の散歩中の婦人に尋ねて表参道に逢い、緩やかな坂を上って日吉神社入口に着く。
　丁度7時でガイドブック記述通り駅からの所要時間は将に徒歩45分。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　繖山より蒲生の田園を臨む

　即、急坂となって多分本田技研のスーパーカブでは登坂不可能な繖山の傾斜に思わず喘ぐ。

　直ぐ石段が始まるが、ほぼ10ステップ毎に右左にジグザグに向きを変えているために見通しが悪く道幅も広いために圧迫感は無いが勾配は相当きつい。

　最初のうちは20歩も続かず、立ち止まってはため息を吐き、ペットボトルから水分を補給しながら歩む。

背後に新幹線の走行音を聞きながら黙々と歩む　。

　途中からは石段中央にステンレス製の手摺が設けられている。
　人生訓を記した木札に励まされて　やっとの思いで平坦な境内に着く。
　時刻は7時35分で数冊のガイドブック記載の所要時間40～45分より早かったことに為る。
　32番札所観音正寺の境内からは眼下に朝もやに霞む蒲生の田園が広がり、一筋の新幹線線路が見える。
　本堂後には人の背中位の大石を配した絶壁とその中腹に観音像、下には魚藍観音像がある。
　境内から東北東？に平坦な未舗装の道が続き、程なく車止めのロープが張られ、その先に麓から参拝客を乗せて来た数台のタクシーが待機している。
　その駐車場手前に結寺経由裏参道の始まりを示す道標がある。
　　　　　　　　　　　　　

　
　　　　　　　　　　　　　　　　観音正寺山門

　　裏参道は丹沢大山等の登山道や秩父の遍路古道とよく似た雰囲気であり　登りとは違い気軽に一気に麓の結寺境内にまで下る。

　道標に従い観音寺口バス停に着いたのは境内を出発して40分弱後。
　乗車時間11分（時刻表には所要17～18分と記載されているが）でＪＲ能登川駅に到着。

　ＪＲ近江八幡駅北口を9時40分、国民休暇村長命寺行きバスに乗る。

　途中の日牟礼八幡バス停前は多数の団体観光客で賑わっており、和船乗船場のバス停も通過したが　終点で降りたのは自分一人。　

　下車の際、運転手に長命寺への道順を尋ねたが、車用の道標に導かれ坂道を途中まで登り始めてしまい、気付いて戻る。
　車道の右手にほぼ直線で続く通称808段の石段を再度登りはじめる。
　早朝に訪れた観音正寺の登りの疲れが足に残っている為、ゆっくりと石段の数を勘定しながら登る。
　途中でトレーナー姿の高校生に追い抜かれる。

　先程　引き返した車道との合流地点での駐車場のトイレで用を足し、境内に到達した時はバスを下車して25分後。
　数えた石段は830余段であった。（途中の何箇所かの踏み石を勘定に入れたかと思われる）

　31番札所長命寺の本堂には　観音正寺と同様　土足に入れて読誦が可能。
　参拝客の殆どは車道で途中まで登って来た人々。
　境内からは木立ち越しに琵琶湖が望める。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長命寺に到る８０８の石段

　一休みし、境内の写真を撮り、100段ほど下った先程の駐車場との合流点にて長命寺と銘の入った数本の杖が傘立てに入っているのが眼にとまり、借用して石段を降りる。

　降りきった左側にも先程は気付かなかったが同様に10本ほど杖が差込まれた傘立てが置いてあり、返却して、賽銭箱に10円玉をいれる。　感謝。
　帰りは境内からバス停まで17分。
　バス出発時刻までの10分余を眼前の琵琶湖の船着場にて時間をつぶす。
　竹生島渡船と記された大きな看板があり、近寄ってよく見ると　彦根港と書いてあった。
　一緒に折り返しのバスに乗った他の二人ずれ観光客は途中の　日牟礼八幡前で下車した。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長命寺境内

　12時22分に降りたJR石山駅から　京阪石山駅までは徒歩2分。
　京阪電車の車内放送は　（多分期間限定で）　機関車トーマスを擬した子供の音声。
　京阪石山寺駅からは整備中の歩道を南下して右折すれば13番札所石山寺の境内入口。
　５００円の入場料を払い広大な敷地内に入る。
　境内に入り直ぐ右側にくぐり岩があり、リュックを背負ったまま、身を屈めて途中まで進んだが　身体の自由が利かず断念し引き返した。
　疲れていない時に再挑戦したい。
石段を登ると目の前に　石山寺の名の元と云われる　天然記念物に指定される大石が現れる。
　その前の本堂内にて読誦し納経する。
　本堂は東京上野清水寺と同じような造り（此方が本家か？）。
本堂の一廓には源氏物語執筆中の紫式部の人形が置かれている。
石山寺由来の石
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　多宝塔は修復工事中で見学者用の足場が築かれていたが用を為さず。右奥に勢田川を見下ろす展望広場がある。ビルが立ち並ぶ以前はさぞ　趣があった事かと思う。

　左奥に到る　八大竜王社との標識がある。
　丘を辿ると右に紫式部展との洋風建築が望まれるが時間の都合で、無視して直進すると視界が開け　東京青梅の塩船観音の奥庭に近似した風景が開ける。

　その奥に近代建築の光堂がある。私と同年輩の男女が何人も雨の中　入っていくので、つられて入ると　付近の古代遺跡（縄文・弥生）の発掘の成果発表のセミナー会場であり、早々に退出。

途中　紫式部像も公園内に認めたが　八大竜王社は見つからず、捜し歩くうちに先程の硅灰石の石山に出、大黒堂を経て境内を出た。

（　後日　寺の境内入口で受領した栞を見ると　社は光堂の下の池の奥に鎮座していることが判明、後日　再訪を誓う）

京阪石山寺駅から三井寺駅迄約20分

三井寺駅駅員に訊き、琵琶湖疏水の左岸に沿って伽藍を見ながら西進し、突き当たって右折し、三尾神社門前に到る。

　　其処で寺へのルートが判らず、通りがかりの婦人に道を尋ね丁寧に教えて頂く。
　疎水に沿って西進中（疎水がトンネルに入る前に）、途中の橋を渡り、右岸を進めば道なりに受付に辿りつけたと後で判明。

　受付にて入門500円を払う。直後の６～7人の婦人団体は450円の支払い。
　　事前に調査すれば優待券の入手が可能であったかも？
　見るからに境内は広く、受付の人に観音札所の所在を尋ねると心得てＢ６サイズの地図を差し出す。
　
　礼を述べて直進し　石段を登り、14番札所園城寺三井寺観音堂のエリアに到る。
　平坦なエリアには観音堂の他、大津市内を展望できる一角、休憩所、100体観音堂、観月舞台、等が在る。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三井寺鐘楼

　先程　疎水の突き当りを左折しても別の受付を経て到着のルートも在るよし。

絶えず参拝客、観光客が訪れる中、読誦し、境内各所を廻る。

区切り６回目（33番札所）