秩父34観音（３巡目）（３日目）

区切り3回目（１６～21番札所）

2017年7月1日

　　第2回目の5月13日から1月半以上のブランクを置いての7月1日（土）は前日の午前中に雨が降ったのにも拘わらず、午前6時の時点で我家（練馬区光が丘）は小雨。

　中野在住の　仲間の1人から　『雨だけど　どうする？　　行くよね？　』　　　と、　確認の電話が入る。

　『　折角　　準備しているんだから行こう　！　』　と　応じる。
　予定時刻より多少早めに練馬駅ホームに到着する。
　目の前を　『直行三峰口行き』が通過。
　次回以降、札所31番に向かうにこの電車を利用できるかな？　と思う。
　所沢駅にて、八王子からの仲間と共に秩父51号に乗り込み、池袋乗車の3名と合流。
　前々回と異なり、車内半分以上空席なのは、天候の性か？　
　終点　秩父駅までの間、何度か車掌が来たが　声を掛けられること無し。
　一同近年の　検札システムの飛躍向上したことから　話題は　山形・秋田新幹線システムへと進む。

　西武秩父駅着8時51分。
　第2回に引き続き、今回も、各自雨合羽を着、リュックをビニール袋等で覆い、雨傘を差して9時過ぎに歩行開始。
　先ずは13番札所慈眼寺に向かう。
　種々の事情で、秩父巡礼は今回第3回目からの初参加という友人は此の札所の寺務所にて、老婆より納経帳と納め札を買求める。
　御接待の眼に良い御茶を頂き、向拝にて一人経を唱えた後、経蔵・西門間にて待機の我等と合流。

　彼から　不参加の、1番～15番巡りを　別途　9月以降の旅行会社のツアーで補う予定と　予め　聞いてはいたが、ツアーの行程に　『　八大竜王社　』　参拝が　含まれているか否か判らぬため、念の為、（我等　4人は　前回　既に　訪れてれているが　）　再度　立寄る。

　前回と異なり、今回は西側より、弁天橋？を渡って境内にはいり、雨の中、御神木の前にて　手を合わせ、こうべを垂れる。
　皆から、この　八大竜王社　と　秩父34札所　との　関連を　問われるが、自分自身、確実に捉えていない為、言葉に窮し、申訳なく思う。
　神域を出た後、14番今宮坊の前を通過し、何処が正式の巡礼道か判らぬまま、旅館ダイマスの前を通過して、16番西光寺に着く。

予定時刻を大幅に遅れているため、一同に、読誦は　般若心経のみと断わり、境内の酒樽をなぞった大黒天のお堂、四国88札所の観音様を祀った回廊堂を観て廻り、本堂外陣長押の涅槃佛を仰いで退出。

山門を出、左折して墓地内を横切り、県道208号線に出る。
左には独特な容姿の秩父公園橋の橋梁が見える。
　『夕方には　あの橋を渡って戻って来る予定』　と皆に告げ、遍路標識に従い、市立病院入り口からは路肩を一列縦隊で17番札所定林寺に着く。
雨の中、各自　鐘楼にて鐘を撞いた後、蝋燭、線香を供え、向拝にて今回も般若心経のみを読誦し、本堂回廊を一周して　順に　背後の寺務所にて御朱印等を頂く。
7年前に初めてこの札所を訪れた時、実用新案申請のフイルムケースに入れた遍路人形を受領したのを思い出し、その旨を　白衣の返却を受けながら伝える。
西光寺88札所回廊入り口

係りの老人は『　その方は　今年　85歳に　なりますが、未だ、造っていますよ。　よろしければ　今日も　どうぞ　お持ちください　』　と　抽斗より　我々　5人分を取り出す。　

恐縮して頂き、向拝にて雨宿り中の仲間に戻り、手短に説明して手渡す。　
　互いに　駄菓子、果物等　配り合って暫時小休止後、寺務所脇の鉄階段を降り、過っての用水の上の橋を渡り、だらだら坂を登る。
　この地区も家々の前には紫陽花の他、私には名前の分らぬ草花が活けられている。
『　雨の中、大変ですね！　』　と　年配の女性から　声を掛けて頂く。
　目の前、丘陵のほぼ中央に白い建物が見える。
　6年前に皆と武甲山に登った後、泊まったホテルで、あの時は西武秩父駅前から車で向かったが、このように歩いていると　あの時も、その気になれば、容易に駅からの徒歩圏内であったと判る。
　多少は秩父市内の土地勘ができたと言っていいのだろう。
　
　国道299号と秩父鉄道を横切った後、そのまま　暫く　線路沿いを歩いたため、巡礼古道への入り口を見落とし、国道140号聖地公園に出る。　
　　引き返す時間が無い為、そのまま、国道を横切り、平行する自然歩道をそのまま辿り、苗が行儀よく並んだ田圃の脇を通って17番札所神門寺山門前に到着。
　　　　

　境内　巡礼者用休憩所は　雨天の為か無人。
　　テーブルの上には前回と同様小容器に梅干しが入っていたが、隅の流しの脇に在った、茶碗を納めていた茶箪笥は片付けられていた。

後から来る巡礼者の為に、使用した茶碗類を各自、洗い清めて茶箪笥に収納して休憩所を発つという　風習が途絶える？　　との危惧を　前回　訪れた時に感じていたが、僅か3年にして　現実となってしまったことになる。

予定時刻との差が短縮できたこともあり、今日初めて、観音経偈をも　併せて読誦する。
　脇の売店では白衣、金剛杖等　笠等、巡礼に必要な全てが取り揃えてある。
　自分は　改めて納め札1式を購入（50枚　100円）　今回の納札には参拝日の欄に　『　平成　』　の文字が刷られていない。

　踏切にて貨物列車を見送り、日本画の題材となりそうな乱れの無い格子の旧家を眺め、宏大なサッカー場と優雅な外観の校舎を有する市立中学校の脇を通って19番札所龍石寺に着く。

　12時15分。先ず、納経所に行き、恐る恐る、『　昼休みですが、御朱印　よろしいでしょうか？』　　と、声を掛ける。
『　よろしいですよ　』　と男性に気持ちよく　白衣を　受取って頂く。
　同行の徒は皆一様に観音堂が　一枚岩の上に建って居るのに驚く。
　水成岩（堆積岩）がこの地に在るということは、過って荒川の川幅が此処まで在ったということで、隆起活動が途中に在ったとしても　この地が川床であったのが何万年前であったのか想像だに付かない。

　境内には、江戸巡礼古道のマップを貼った真新しい看板が建って居る。
鉄道会社が数年前より古道の情報公開に積極的でない故、貴重な情報として、雨中、写真を撮る。
　車止めの杭の在る旧秩父橋から、車両の行交う新秩父橋を眺め、対岸の　蕎麦屋に　予定より40分遅れで入る。
　先客が3グループ、何れも、店先に停まっている車での来店らしく、店内に貼られた御品書や窓下の荒川を覗き込んだりしている。
　自分は店名の入った御膳（1300円）を注文、同行の徒も夫々（なぜか、結果的に全て天麩羅系）を頼んで、ひと息つく。
　先行３グループに運ばれた品は全てやはり、天麩羅系。
　都心の店のそれよりもボリュームが多く見える。
　前回　秩父神社裏の蕎麦屋のわらじ丼セットを　思い出す。
　程無く　高齢の女店員から供された御膳、なんということなく完食。

　デザートとして抹茶プリンも追加で頼み、ラムネ菓子一掴みを　おまけで頂き、大満足で店を出る。
　
　依然　降り頻る　雨の中、車の途切れるのを待って国道を渡り、眼前の歩行者専用坂を登る。
　本日　最初で最後の急勾配の坂道。
　事前に　この急坂の存在を皆に伝えておかなかったことに気付いたが後の祭り！やむを得ず。
　今後、この坂が、これまでの２０番札所観音堂前に通じる階段に代わって巡礼道と称されるのであろう。

　境内、石段を滑らぬように手摺を頼りに降り、左折して樹木の間を縫って、観音堂に到着。
　蝋燭を灯し、堂内にて読誦。
　その後、向拝隅に摩尼車が在るのに気付き、各自回す。
　御朱印等を受領し、再度石段を登って巡礼道の標識に従い歩く。
　此処からも武甲山の容姿、眼前に在り。　道路際にじっと動かぬ小さな蛇を認める。
　秩父では　毎回　必ず　蛇に遭遇する。

　遍路道を歩く。道端に無人スタンドが在る。　前回此処で茹で栗を購入した処と思いだす。
　今回はパック入りのブルーベリーが何箱か並んでいる。
　皆で小銭を出し合い、１パック買求め、歩きながら食す。
　高湿度下の歩行が続いているためか美味い。
　

　 21番札所観音寺到着。
　6地蔵が迎えてくれる。
　境内の右手、墓地に続く径に朱色の鳥居が建って居るのを同行の徒が
いち早く見つける。
雨も小降りとなり、歩行の時間に余裕ができた為、観音経の偈も20番
札所に引続き、読誦できた。
　納経所にて、此れまでと同様、九州災害復興義捐金共催の　散華を求めて県道に出る。

21番札所前バス停、長尾根江戸古道入り口標識を通過して農協直
販所に着く。
　野菜類、しゃくし菜漬け、自家製饅頭類などが並び、地元の奥さん方
が品定めをしている。
　饅頭類を買おうとしたが、雨の中、荷物が増えるので今回は取り止め
た。
　蕎麦を打つのを趣味としている、同行の徒は打ち粉をかなり購入した。
　　　長尾根江戸古道入口標識

　素朴な容姿で微笑ましい地蔵尊を写真に収め、22番札所童子堂に向かう。　
　藁ぶきの山門は手入れが行きとどいている。阿吽像は愛嬌が在る。　
　本日最後の札所で、時間的にも余裕があるため、皆と計らい、観音経全巻と心経を読誦。
　寺の由来の看板を読むと、明治の末に、別の地から此処　お城の跡地に堂を移設したとのこと。
　先程のあの地蔵尊も一緒に移設したのかとふと思う。　

　22番札所から駅方面に戻るには2通りの方法がある。
　過って、22番札所から秩父駅方面に出るには　武の花橋しか無く、秩父公園橋が竣工した平成6年か
ら16年経過した平成22年版遍路資料にも、巡礼道として　武の花橋が示されていた。
　当然として自分は当時、童子堂から１０メートル余、崖を下り、橋を渡った後、同じく１０メートル余の高
さを九十九に登って、西光寺に向かったが正直疲れた。

　今一つの経路は、新らしくできた　秩父公園橋を渡る方法である。
　今回、誰に相談することなく、高低差の殆んど無い、秩父公園橋への径を選ぶ。
　途中　音楽寺へのハイキングコース入り口への看板を認めるが　この道を辿れば前回同様途中で路線
バス道と交差することとなって、中山古道には　入れなかったことを思いだす。

　橋の袂に到着。
　秩父駅方面バス停時刻表では　50分ほど待つことになり、一同　『歩こう　！』　と衆議一致。
　秩父公園橋からの展望は抜群。
　右手奥に浦山ダムがはっきりと見え、目を凝らすと護国観音像も判る。
　視点を手前に戻して、矢尾百貨店及びNＴＴのビルも確認。
　皆に西武秩父駅はあのビルの直ぐ後と　伝える。
　橋は水平では無く、北から南へ、かなりの傾斜の下り勾配となっており、南行するには楽である。

　八大竜王社の前を通るために市立病院入り口にて右折して暫く行くとダイマスの前の通りに出る。
　庚申塚の脇に、『江戸古道』の標識が現れたので、辿る。
　先程14番札所今宮坊から16番の西光寺に行くときに辿った途の一つ右側が古道で在ったと判るが、順
序から行くと、15番少林寺に行くには先程の庚申塚にて右折せねばならない。
　街中での古道のコース確定の意味付けを再考せねばならない。
　いずれにせよ、順路を逆に歩いて、今宮坊に着く。
　前回が不参加の　一人が　『此処でお参りしておく』　と希望したため、他の一同は境内にて小休止。

　彼の御朱印受領を待って、再度八大竜王社の神前にて　頭を垂れ、車を避けながらだらだら坂を登り、
13番札所慈眼寺門前にて黙礼して西武秩父駅到着。16時50分。

　　横浜市、田園都市線沿線からの参加の1人が　17時5分発Ｓトレインに乗車したのを見送り、残りの4
人は午後7時からの　棚田での蛍鑑賞に備え、先月開店の駅前施設にて、各自好みの飲物と持参の軽
食にて反省会？を開く。　

西武秩父駅改札口から西武秩父駅改札口まで、歩数20000歩弱。

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