秩父34観音（３巡目）（８日目）

区切り８回目（９～１２番札所、１２番奥の院、護国観音、２６～２７番札所）

２０１７年１１月１１日

　　計7回の巡礼を重ね、３４番の水潜寺と２７番の大渕寺とが残った。

　岩井堂、護国観音を含む２７番札所と札立峠の通過を前提とする３４番札所を同一日に巡ることは不可能な為、２回に分けることとなった。

　諸般の事情で３回目からの参加と、４回目からの参加の友にそれぞれ、第８回目のコース取りについての希望を訊き、当初からの参加の友には申し訳ないが、札所を⑨, ⑩, ⑪, ⑫, ? ? ? ? の順に、時間の許す限り廻ることとした。

　５月に訪れた前回より、約４０分早く、急行直通三峰口行き車両は横瀬駅に到着。

　８時４５分に歩行開始。　本日も晴天。
　収穫の終って、僅かネギや馬鈴薯の植わった畑の脇を通り、９時前に一同　９番札所明智寺に到着。

　境内にて掃き掃除をしている住職さんに会釈して堂内に入る。
　今回、この札所にて御朱印を新たに受領するのが己一人と自覚している友は、『先に頂いてくる』　と、納経帳を手に、寺務所に向かい、庭先の住職さんは快く作業を中断して戻られた。感謝。

　前回受領できなかった、Ｂ５サイズ周辺案内図と共に『横瀬町歴史民俗資料館』のパンフレットを入手。
　見ると、館内には常設の『秩父札所』コーナーも在るとのこと。
　入場料２００円、此処から徒歩１０分以内と判るが、当初の予定に入れてない為、今回は立寄りを断念。
　境内の早咲きの桜を愛でて退出。

　今回も横瀬中学校の横を通らず、横瀬大橋経由とする。
　武甲温泉入り口では半年前の道路拡張修復工事続行中。

　人手不足なのか、経費切れなのか、設計変更なのか？不可解。
　彼岸花も終わった民家の庭先を通って１０番札所大慈寺に至る。
読誦後、賓頭盧様の説明を再度皆に説明し、各自、撫でた後、今回は境内裏手より尾根道に入る。
　当初はかなりの急勾配で、杖が無いときつい。
（後日、国土地理院の地図でみると、高低差約50ｍ？）

　前回は『雨でぬかるんでいるので、勧められない』　と言われたが、将にそのとうりであったであろうと推測する。
本日が過去数日積図板続いた好天であることを感謝して尾根に出る。　右3番札所、左11番札所との道標がある。

今、登って来た山道を往復しての、3番、10番、11番と　集団が巡るのは、狭隘すぎて問題であろう。

　尾根は木立に覆われているが　時々、左側には先程渡った県道11号が、右側には秩父鉄道沿いの民家が見え、小学校低学年でも楽々なハイキングコース。
雰囲気は　鎌倉アルプス　によく似ている。

　落葉を踏締め、程よい高低差の繰り返しを20分程歩行して、稲荷神社の境内に裏側より入る。

　無人の社に参拝後、参道を下る。
　先程の10番札所の裏の急勾配斜面とほぼ同様な高低差が在る訳だから当然だが、かなりきつい行程である。
　この参道を登っての稲荷神社参拝もきつかろう。

　最後の鳥居を潜って右側が11番札所。
　10番札所を出てから約30分を要した。
　前回の国道経由では10分程度であり、通常このルートをお遍路さんは利用しないであろう。

穏やかな日和で、本堂の扉は今日は開かれており、一同、向拝にて読誦。

　　眼前のコンビニにて何か補充する物は無いか、皆に確認後、前回と同じ道を12番札所に向かう。
　抜道になっているのか、今回も何台もの軽４輪が（遠慮がちに）追い抜いてゆく。
　左側が羊山公園。

　暫くすると脇道から少女二人連れの御婦人が現れ、我々の１０メートル程前方を同方向に歩む。
　やがて、３人とも我々を先導するように、１２番札所山門に入った処で、少女の１人が先日のあの利発なお嬢さんであったと気付く。
　追い駆ける様に山門を潜ったが既に3人の影はない。

　広い境内には数グループの先着の参拝者が居る。
　左側の藤棚の下に在った縁台は今回は片付けられている。
　今回この札所に初めて参拝する友に納経所の場所を告げ、　一同　向拝にてリュックを下ろし経文等を取出す。
　御朱印帳を預けて戻ってきた友が、『本堂に入ってお経をあげても良いそうです』と伝える。
　一同、靴を脱ぎ、リュック等を持って本堂外陣に入る。
　長押の上方に掲げられた 34札所のスケッチ絵を懐かしく確認する。
　経台の横に一同正座し、懺悔文、開経偈、観音経、般若心経、回向文　と　読誦。
　個人個人の想いを胸に念じ、立ち上がる。
　あらためて、堂内の諸仏を拝顔し、春先に鑑賞した蓮花のあった池を再度確認して向拝へ退出。

　諸堂の散在する境内の一隅をお借りして、一同昼食。

　日本晴れの中、1本聳え、金色に輝く銀杏の古木が見事。

見上げつつ、御握りをほおばり、果物、チョコ、飴類を分かち合い小休止。

　先程の少女二人が山門の周りを走り廻って笑い合っている。
　本堂前両脇の石の小僧さんをも眺める。

　境内の諸像や碑、植栽にカメラを構える友に、山門脇の十三尊仏像堂に入るよう強く勧め、自分も再度潜る。
　１２支守り本尊及び１３権者像が蔵内に安置されている
　１３番札所慈眼寺経蔵内の１３権者像との対比（及び、２３番札所奥の　１３地蔵）　を　次回巡礼時の課題としたい。

　小一時間を過ごし、12時25分に野坂寺を出発、
　西進して26番札所円融寺に今回は正門より入る。
　過去3回訪れた時は気付かなかったが　山門脇に摩尼車がある。
　３４の寺の中で、境内、山門脇等敷地内に　摩尼車を用意されている札所は４寺か　それ以上か？

　読誦と御朱印受領を　そそくさと済ませ、記憶を頼りに、市街地を昭和電工秩父事業所正門に向かう。
警備詰所にて、一同４名、来意を告げると　今回も工場敷地内立入許可申請のサインも何も無く、ただ、緑色塗装の上を通るように強く念を押されて、機械的に口頭案内された。
　（　以前訪れた時は、A４サイズ両面に印刷された案内書を先ず受領し、備え付けの地図にて、工場内通行の説明を受けたと記憶する）

　　指示されたとおり、場内の緑色塗装の通路を歩いて（多分、工場の敷地から出て、）　大師堂を右に見て、古びた石段を　中央部の鉄製手摺を頼りに登る。両側は鬱蒼とした樹林帯。

　平地に出、左折して尚も　石段を登ると、円融寺の奥の院の岩井堂。
　様々な、説明の看板が在る。
　源平盛衰記にて名前に見覚えのある　悪七兵衛景清の牢破り　を題材にした絵が奉納されているとのこと。
　この無人の岩井堂の中に絵が在るのかと思ったが、どうも、そうでは無く、円融寺の本堂に在るらしい。
　先程の円融寺の境内には　そのような説明看板は無かったと思うが、見過ごしたのかも知らない。
　次回、円融寺に参拝の折、寺務所にて伺ってみようと思う。
　今回も、岩井堂からの視界は、周囲の樹木に遮られ、良くはない。
　説明書によれば、背後徒歩数分の処に別途、社寺が在るようなので、後ろの崖の細道を　一同登ってみたが、それらしき建造物も無く、視界も開かれぬため、背後を一周する感じで　元の平地にもどり、　そのまま、護国観音を目指す。

　皆の最後尾に就き、依然として視界の効かない尾根道を辿る。
　7年前、初めての秩父巡礼で、26番札所と27番札所を結ぶ　此の琴平丘陵ハイキングコースを単独で辿った時、途中、護国観音像の脇を知らず通過してしまった失態を私は演じている。

　今回も、同様な失態を犯さぬよう、友たちに、途中　標識に注意するよう話はしていた。

先頭を歩く友が、護国観音の標識を見つけ、右手の小高い岩場に足を踏み入れ、後続の者たちも後に続く。

　視界が開け、前方に秩父公園橋の塔が見え、コース途中の展望台の一つに到着したと実感。小休止。

　ふと、背後を振り向くと、護国観音像が悠揚と我々を見降ろしている。
　即、友の1人が台座近くまで身軽に、よじ登り、ポーズを取る。
　苦笑しながら、写真を撮り、そして気付く。
　7年前も、将に自分はこの展望台に到着し、眼下の影森駅を眺め、ミューズパークのタワーも、撮り、そして、背後の護国観音像には気付かず、そのまま、大渕寺境内へと下ってしまったことを。

　より、注意深く対処しておれば、当然気が付いていた機会を軽率故に逃してしまう自分の性は、もはや変更が困難であろう。

　展望台に到達していながら、護国観音の存在に気付かなかった迂闊さに自己嫌悪しながら、２７番札所大渕寺観音堂に至る。鉦を鳴らし、読誦。　

　観音堂より、尚下って、本堂境内に至る。
　以前は気付かなかった、延命水の看板とともに、湧き水を寺務所手前に確認。飲むと33か月延命するとのこと。
　たしか、3番札所常泉寺境内にも同様な井戸があり、喉を潤した記憶がある。（　後日、確認したら、長名水　の名で薬効ありとのこと、）

　境内の紅葉素晴らしく、友は何枚も、此処彼処にてカメラを構えている。　山門前では、御婦人方が、護国観音を仰ぎ見て、絵筆を走らせている。
　午後三時丁度に山門前を出発、西進する。

　秩父鉄道の踏切を２度通過し、廃線跡と思しき道を進む。此処にも、以前在った『　熊出没注意　』　の看板は撤去されている。
　浄水場の角を廻り、２８番札所と、浦山口駅との分岐点に至る。
　今回の参加者は全員、区切り４回目にて橋立堂を訪れているため、直接、浦山口駅を目指す。
　駅ホーム上に１０名余の電車待機中の乗客を認める。

　本日は、当初、２９番札所の長泉院まで廻り、１６時過ぎてから駅に帰着の予定であった為、１５時台のダイヤを正確に記憶しておらず、立ち止まってリュックから時刻表を取り出す時間も惜しまれ、なんとなく、秩父方面行きの電車が間もなく、到着する予感がして、一同、急ぎ足にて車道を左折。

　駅員が親切にも坂を途中まで下ってきて、間もなく、直行池袋駅が到着するので、急ぎ来るようにと促す。
　駅員の指示通り、秩父駅までの４人分まとめ買いして、ホームに入り、到着停車した直行池袋駅行きに乗車。　午後３時３８分。
横瀬駅から浦山口駅まで、歩行数２３８００余歩

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