秩父３４観音（３巡目）（７日目）

区切り7回目（３１、３２番札所）

2017年11月4日

　今回の、秩父札所巡礼、7日目にして、初めて、天候の心配なく、電車に乗車し、8時47分西武秩父駅着。
　トイレを済ませ、バス停に向かう。
　既に約20名が並んでいたが、未だ出発まで30分弱あるため、傍らのコンクリ製丸椅子にて各自休憩し、9時15分に並ぶ。
　定刻少し前にバス到着。並んでいた客は全て着席できて、出発。　秩父橋を渡る。
　暫く行くと、我々のバス進行と平行して自動車専用道らしき道路の新設工事を右手に認める。
　将来、関越花園インターとつながるのであろうか？
　松井田、泉田と通過して9時55分小鹿野役場バス停到着。
　我々と一緒にリュック姿の青年男女10名余も降車。
　彼らは追い駆ける様に停車した坂本行きの表示のバスに乗り込み、即発車。

　仲間が足腰を確認し、トイレに入り、周囲の風景を撮っている間、バス停の（立派な屋根付き）待合所に入る。
　中には各種案内書が揃えられ、又、意外にも登山計画書の投函箱が設置されている。
　先週（10月28日）西武秩父駅頭でのキャンペーンを思い出した。

　10時03分、バス停より歩行開始。
　今回も小鹿野警察署手前にて県道から右折し、赤平川橋を渡る。
　だらだら登坂を行くと前方から登山服にリュックの男性が独り、降りて来る。
　会釈して擦れ違ったが、後から思うに、彼は西武秩父駅８時20分発のバスに乗り、48分に長若中学校前で下車し、32番札所にて暫時滞在して大日峠を越えて来たのであり、これから先、栗尾、泉田間をバスに乗れば、本日中に31番、33番の両札打ちが可能な行程であったと了解。
　我々は予定より６分早く、１０時２９分に『大日峠入り口』を通過、樹林帯に入る。
３年前に今回と同じく、小鹿野役場側から峠を越えた時は、随所に『熊に注意』の札を見かけたが、今回は無い。
先月の権五郎落峠の時も札は撤去されていた。　
今後、この峠に注意看板が掲げられることは無いのかもしれない。

今回の私以外の者は全て、登山用ストックを持参した。
東海道自然歩道を走破した一人は以前から使用しているが、他の二人は前々回の 37000余歩の行程の後、夫々検討の末に買求め、今回から使用を開始している。
かなりの価格で有ったらしい。
私は30年前ほど前に母が奥多摩御岳山にて買求めた木製Ｔ型登山杖を譲り受けて使用している。
平地歩行の際は邪魔なので、時として、地面に平行に中央部を握って振ってリズムを取るのに用いているが、手摺の無い、石段の昇り降りや、今回のような峠越えの時は重宝する。

　予定より、10分早く11時丁度に大日峠を通過。
　１１時２５分に３２番札所山門前に到着。

　良く手入れされ、情緒ある石段を登り、子連れの参拝客と談笑する住職の前を会釈して通り、本堂前にて拝礼し、可憐な竜胆の花を愛でて観音堂に至る。11時35分

　スリッパに履き替え、回廊を一周後、扉の前にて、一同読誦。
　周囲の景色を写真に納める仲間を促して、奥の院への路に入る。12時丁度。
　
　路は長尾根みち古道や、先程の大日峠登りよりもきつく、岩場では、登山用杖やストックの所持は、かえって邪魔となる。
　7年前に無心に通った路ではあるが、あまり記憶に残っていない。
　先頭を歩む者から、『此処に、鎖がある。』　と声が掛かり、反射的に　『　登って下さい！　』　と応えてしまう。　実は前回確認した、『　龍虎岩　』　への鎖であり、友を脇道の石仏群に導いてしまった。

　元の参道に戻り、再度、鉄鎖を頼りに、大日如来、観音菩薩分岐点に至る。

　『どちら？　』　と問われ、今度は確信をもって、『左！』　と応じ、樹林帯を抜けて、復も鎖場に到着。
躊躇する仲間を励まし、リュック、ストックを傍らに置き、1名ずつ順に鎖を引寄せて登攀。

先着の者から我々に『素晴らしい景色！』との声がかか
る。
　待機の友も鼓舞されて慎重に登る。
しんがりで、鎖から、鉄柵へ移動すると、『　其処から撮
ってくれ　』　との要請。
大日如来像を囲む友三名をカメラに収める。
　皆、次第に大胆になり、しかし、慎重に、周囲の景色
を撮る。
前回と同様、今回も、この時刻に限り、快晴に恵まれ
たことを感謝する。

大日様に賽銭を置き、祈念した後、もう一カ所、観音
像があることを皆に告げ、1名ずつ、慎重にリュック置き場へ
戻る。

前回は即、観音像に到達したように記憶していたが、　
意外と長く感じられ、先頭の者から『　後、　どのくらい？
　』　との質問。

それだけ、大日如来像の印象が素晴らしく、そして観音
像を期待しているのであろう。
『　もうすぐ　』　と応じ、視野が開け、眼前に観音像が
建つ。

再度、何枚かの写真を撮る。
眼下には先程の本堂伽藍を認める。

帰途、赤子を抱いた若き父親や、ペットを抱えた男性と擦れ違う。
彼らは何処まで登るのか気になる処である。

1時間15分を要して観音堂下に戻る。
先程までと違い、たいそうな賑わい。
本堂横にて10分程並んで御朱印等を受領。
これほど混むのであれば、先程納経帳等を預けておけばと思うが、やむを得なし。
友等は、尚、境内の所々にて、シャッタを切っている。

先程の観音像を遥拝後、山門前に戻り、昼食。
　元、町営バスの折返し地点であった広場には数台の乗用車が停まっている。
徒歩でこの札所に来たのは我々だけのようである。
　大日峠方面から、スポーツ着の若者が軽快にかけて来る。
訊くと今朝三峰駅を出発して31番札所を経て来て、これから、３２番参拝後、３３番札所に向かうとのこと。
　思わず、『３４番水潜寺まで行くの？　』　と問うと、今日は３３番までとのこと。
　予定より丁度1時間遅れの午後2時に出発。
　
　路傍の無数に散乱している花梨の実を拾って匂いを嗅いでるうちに、先程の青年に会釈をして追い越される。

　以前、老婆と会話しながら歩いた道を辿り、長若の交差点を通過。
　右手の停留所を指差し、以前、彼処のバス停より西武秩父駅行きに乗ったと説明。
　舗装道路を宮本荘前まで歩く。

　（後日、改めて確認すると、正規の32番札所から３３番への路は長若小の３００ｍほど手前のＹ字路を左に折れ、長若の交差点の北側約４５０ｍの大和武神社の前を横切り、宮本荘前で合流するルートであった。
　我々はこの約２Ｋｍの区間、粗同距離を、数年前に廃止された町営バスのルートと思われる舗装道路上を歩いたことになる）

　　松井田バス停に午後３時丁度に到着。

　　隣のお寺さんの境内にて５分間小休止後、泉田バス停に向けて出発。

　　途中ショートカットして県道２８３号との分岐点にて午後３時１７分。

　　通りすがりの主婦に札所までの所要時間を訊くと『　約１０分　』　とのこと。

　どうも、車での時間と勘違いしたらしい。

『　そのようなことは無い。三時半での札所到着は困難、歩行ス
ピードをあげよう。』　と皆に促し、先頭に立つ。
１５時４２分、３３番札所菊水寺に到着。
直ちに本堂内、御朱印帳等に印を受領し、薄暗くなった三和
土、本尊前にて読誦。
偈及び般若心経のみとする。致し方なし。
本堂前にて錫杖に触れ、写真を撮っていると、乗用車が停まり、
あたふたと、本堂内に　何人かが駆け込んで行く。

皆に、泉田バス停のに戻るか、龍勢会館にまで行くかと図る。
一同、龍勢会館と応え、１５時５９分札所を出発。
歩行速度を心持落として立寄り湯の前を通過して吉田橋を渡
る。

未だ日没までに間があることを確認してバス道から右折して巡礼道に入る。
土手沿いに暫く歩いた後、少なくとも、此処一週間誰も通らなかったであろう叢へ、巡礼標識は誘導する。
全員　いのこづちまみれになり、畑地に出る。　

以前広範な農地であった場所が左右両側から塀に浸食され、狭まっている。

記憶を頼りに、前方の巡礼標識と思われる看板を目指して歩く。

脇から丁度、出てきた女性に、『巡礼道はあの看板を左折するのですか？』　と尋ねると、『そうです！』　と応じ、『狭い道で、わかりずらいですよ、あの上に出ます』　と崖上を指差す。
　了解し、礼を述べ、畑地に入る。
　７年前は確か作物が何か一面に栽培されていた記憶がある。（偶然、本日は、７年前に訪れた１１月３日と僅か１日ちがいである）
　今、我々が歩く左右の農地は収穫直後なのか、休耕中なのか、農作物は見当たらない。

道標に導かれ、狭隘な崖路を斜めに登り、先程のバス道に合流して龍勢会館前パーゴラに着く。１６時４５分。

袖やズボンに着いたいのこずちを丹念にふるい落とし、小休止。
　各自、道の駅にてアルコール類、しゃくし菜漬け、農作物、味噌等買求め、日没後の１７時１８分バス停から定刻通り発車。

　　秩父駅に予定より１０分遅れで１７時５８分着。
　　運転手は『　道路混雑で、西武秩父駅まで後、１時間を要する。　急ぎの方はここで降りて、西武秩父駅まで歩いてください。　』　とのこと。
　乗客殆んど全員バスを降り、西武秩父駅に向かう。

１８時２５分発レッドアロー号の指定席は４名バラバラとなったが、危うく購入可。
　小鹿野役場バス停から西武秩父駅まで、歩行数２７０００余歩

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