一隅を照らしたい凡人の札所巡り

坂東３３観音（2巡目）(３)

区切り５回目（30，33，番外，31番札所）
(高倉観音、那古観音、崖観音、笠森観音)
2014年年5月19日〜20日


　浜松町バスターミナルを安房鴨川方面往きアクシー号で6時25分に発車。乗客4名、途中　東京駅ヤンマービル前からは20余名乗車。
　降車予定停留所の一つ前の矢那川ダムバス停にて 時間調整をして かずさアークバス停に定刻7時40分着。
　矢那川ダムバス停からバスの進行方向に坂道を下ると、木更津駅からの路線バスと交差する信号のある四つ角の手前に　高倉観音の標識があるため、矢那川ダムバス停で降車しても　道に迷わず　多少早く　15分程の歩行時間で30番札所高倉観音の境内に到着可能。
　 納経所にて許可を得て　今回は　先ず　鐘楼にて鐘を撞く。
  境内に人影なき、中で　本堂前にて読誦。
　その後本堂周囲を巡る。　４年前に参拝した時には無かったフクロウの石像が目にとまり、近づき確認すると　諸願成就の胎内潜りとあり、お賽銭を供えて、潜り、通る。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　30番札所高倉観音山門    

本堂の下に設けられている、観音浄土巡りは　今回　割愛し、御朱印をいただきに納経所に向かう。
　納経所の老係員も　当寺へのバス便について、　木更津駅からの路線バスよりも、海ほたる経由の東京からの長距離バスの方が、運転間隔が短いことを告げる。
　最近、個人でバス・電車を乗り継いで坂東33札所巡りを行う者は殆どいないらしい。
　前回と同様木更津駅行の路線バスを利用して　前回より2時間程早い9時半に木更津駅に到着。
（例によって、木更津市街地に入るまで、自分以外の乗降客皆無）
 30分程の待ち合わせで館山行の電車に乗る。
　同じホームから乗った私と同年輩の婦人が、発車すると直ぐ、『館山まではどの位　かかりますか？』　と　尋ねてきた。
　『　1時間位ですよ　』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　高倉観音境内胎内くぐり

　
と応じると　納得したが　暫くすると　『　鋸山はどちらですか？』　と　話しかけて来る。　当方も　さして　用もないので、　話し相手となる。
　今朝一番で佐賀空港から羽田に来て、空港で館山までの最短ルートを聞いて、木更津駅迄リムジンバスに乗り、小一時間待って、この電車に乗ったとのこと。　
　東京に独り住まいの妹が（気候の温暖な館山の）老人ホームに入居したので、日帰りで会いに来たとのこと。　居住している佐賀市のことや妹のことなど、それに帰りの交通の便の心配等良く喋る。
　普段あまり喋らない質なのか、私が話しかけやすいのか　那古舟形駅までの小一時間は瞬く間に過ぎた。
10時56分、駅に到着。　改札口にて　帰りの上りの電車の時刻表を見上げていると、駅員がA5サイズのコピー版を提供。
　礼を言い。13時5分の上り電車を確認して33番札所那古観音を目指す。
　15分程で県道302号線から石段を登り、境内に到着。
 平日のせいか　此処も他の参詣客無し。
　本堂向拝にて読誦し、その後、本堂裏の崖の途中に設けられた　八大竜王社を参拝。　納経所に向かう。
　『順不同にて廻っております』　と言って 御朱印帳の該当ページを開いて提出。　
　係りの方が　『　此処が　結願寺であることを知っていますか？　』　と言いながら　前の方の空白のページを確認。
　『承知しております。　今回が2巡目です』　と応えて　御朱印を頂く。
　今回は前回のように潮観展望台には登らず、再度　本堂前を通り、境内西側の石段を降りて、県道に出て駅に戻る。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　33番札所那古観音本堂　



　
　駅で先程の駅員に、崖観音への道順を確認して丁度12時に線路沿いに出発。
　電車の窓からは良く見えるのに、駅から暫くは　山襞や住宅の陰になり、姿を現さない。
　再度県道32号線と合流した時点で、突如　威容が現れる。
　境内に入り、即　石段を登る。
　崖に突き当たった後は　崖に沿い、中腹に設けられた観音堂を目指し　歩む。視界は徐々に開け、観音堂踊り場からの館山湾（鏡浦）の眺めは、先程の33番札所境内からのそれを凌駕するか？
　途切れることなく続く参拝客も一様に、カメラを構える。
　湾の左手の小高い丘に在る筈の那古観音の伽藍はここからは　識別できない。
　　麓の　本堂脇の納経所にて　温和なご婦人から 坂東３３観音御朱印帳の末尾に　御朱印を頂く。　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　崖観音　本堂と観音堂　
一緒に受領したパンフレットによれば、養老元年（西暦７１７年）行基が開いたと、
される。　直線距離わずか1.5ｋｍ（道程にして徒歩30分）の地点に　現在 同じ真
言宗智山派に属し、　行基が同じ年に開いたと伝承される寺院が　２寺存在して
いることに興味が湧く。　ちなみに　西国、坂東、秩父　１００観音のうち、　行基が
開いたとの伝承のある札所がいくつあるか、いずれ　勘定してみたいと思う。
　12時50分に駅に到着。13時05分に駅を発車。君津駅に向かう。

　妻と落ち合う時刻には　間があるため　君津駅南口の交番で、適当な食事
処を尋ねたところ、徒歩数分の総合ショッピングセンターを紹介された。

　徳島の阿南市と同様、最近　人口数万の市にもこのような洗練された駐車場
完備のビルが建つと、近在従来の商店は存続が難しくなるであろう。　

駅南口より妻と　送迎バスに乗車し　内陸に向かって30分程乗車し、温泉宿に着く
　　　　　　
　宿の周囲 丘陵地帯の樹林の様が何となく　先程の30番札所高倉観音の周囲
のそれと似ているため、バスの運転手に確かめると、
  『高倉観音から宿迄車で20分もかかりません』　　とのこと。
　帰宅後　地図で確認すれば、なるほど　道程で10キロ　弱歩いても２時間程度
の至近距離であった。
　近い将来3巡目を計画する際は札所と　この温泉宿の間の樹林地帯を　ゆっく
り歩いてみようと思う。
　31番札所笠森観音は　前回　坂東33箇所札所巡りをさせて頂いた時に最も印
象に残った札所の一つであった。
　樹木の生い茂った山の頂きに建てられた　四方周囲全てを高床式に支えられ
た独特な建築様式は えも言われぬ　オーラで　充溢している。
                                                               　　　　31番札所笠森観音
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　今回も　五井駅から　女性車掌の乗務する2両編成小湊鉄道に乗り、上総牛久駅から　１日７便の茂原駅行のバ
ス便に乗り換えて　笠森観音前停留所に11時50分に到着。
　前回と同様　今回も　足の便は相変わらず　良くは無い。
　次回は発想を変え、牛久駅から歩くか、若しくは　今回の高倉観音のように、　羽田空港・茂原駅間高速バスの
長南営業所停留所まで乗車するか否か検討する事を宿題とする。

　

何れにしても　　笠森観音は今回も　参拝人が絶えない。
　たまたま　今回も観光バスの団体巡礼の一団と遭遇したが、　その他にも納経帳を提出しない　個人の参拝客が　絶え間なく　入山してくる。
  彼らも　他の札所とは違う何かを感じるのであろう。
　本堂の急傾斜の梯子を登りきったところの受付の横に吊るされた小型の釣鐘を撞き、正面に廻って偈を読誦している時に、　遥かに音程の低い鐘楼の音を聴く。
　 御朱印を　頂く時に　『　鐘楼は在るのですか？　』　と　伺うと、　参道の石段を登りきった際、斜め右後ろに鐘楼への道があると言う。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鐘楼越しに本堂を望む

　　　　　　　　
　迂闊にも　前回も　今回も　気が付かなかった事を悔やむ。　　しかし、先程の団体巡礼者を始め、何人が鐘楼の存在に気付き、鐘を撞いているのであろうか？

　　前回とバスダイヤが変更されており、帰路は上総牛久駅にバスで戻り、　五井駅経由で帰宅した。　バスの他の乗降客は往路は皆無、帰路も僅か1名であった。
　
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