坂東３３観音（２巡目）(2)

区切り２回目（８番札所）(星谷観音）

　2014年2月21日

先週の金土曜日（2月１５/16日）終日降った雪は、その1週間前の時と同様に都心では３０ｃｍ弱の積雪となった。
　ＪＲ青梅線の御岳以西と西武秩父線の一部のみが関東地方では未だ不通との交通情報を聞き、丹沢山麓の6番札所飯山観音もバス停からの道は歩行困難と予測して、今回は8番札所星谷観音のみの参拝とした。　

　小田急線座間駅から線路に沿って暫く歩く間、日陰の場所に未だ雪の塊が在るのを確認できたが、南北に走る県道に出てからは、車道は勿論、両側の歩道上からも雪の姿は消えており、（もしかすると歩行困難なのでは？との昨夜からの不安は払拭された。）

　しかし、境内に入ると、左側の駐車場から庫裡と思われる、建物の玄関までは乾いた地面が表れているが、右側の水屋と正面の香炉と左脇の燭台は全て雪原の中、深さ約２０ｃｍと推定される雪の中にいくつかの足跡が残り、その足跡は観音堂へと続いている。

　雪中、その足跡の上にウオーキング靴を載せて、歩む。　滑らぬように観音堂の石段を登り、用意されているスリッパに履き替え、外陣に入る。納札箱が見当たらず、止むを得ず、賽銭を収めて、観音経偈と心経を唱え、雪中を歩き、庫裏の右側の納経所の札の掛かった、真新しい建物の中に入る。

　声を掛けると　直ぐ窓口に女性係員が出てきた。前回1巡目に参拝した時に対応された見覚えのある方で、2年前に設置した自動販売機にて　納経料を購入してください　とのこと。　承知して券を購入。

　納札箱の所在を聞くと、。窓口の下にある、お盆の上に置いて下さいとのこと。
　見ると２日前の日付で2枚　納札が置かれている。（一昨日から今日まで巡礼者は自分を含め3名、水屋と、燭台・香炉の前の足跡は、二日前に記された？）

　この雪で6番札所の本日の参拝は中止した旨を伝えると、　明日団体客がバスで参拝にくるので、その団体さんは多分向かうであろうとのこと。（除雪はどうするのか？）　

8番札所星谷観音本堂　　　　　　　　　　　　　　　　

区切り３回目（２９番札所）（千葉寺）

　2014年3月22日

　4年前と同じく、都営地下鉄新宿線で本八幡駅に出、京成八幡駅から千葉寺駅に到る。
　念の為、前回と同様に、改札口にて千葉寺への道順を尋ねたところ、
　「駅を出て、真っ直ぐ右に向かい、大きな通りに出たら、左に曲がり、直進して最初の信号を左折すれば、お寺の前に出る」　　とのこと。
　趣のある参道を今回も歩きたかったので、駅員さんの指示に反し、記憶を頼りに、駅から左に向かう。
　4年の間に空地が整理され、見通しが悪くなっていたが、車道に出、児童公園を右に見ながら北上する。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　千葉寺山門　　　

最初の右に曲がる細い路地に入り、見当を付けて、民家の間を抜けると、木蓮の花が満開の十字路に出，一度坂道を下って前方を仰ぎ見ると　正面に29番札所千葉寺の山門が見える。

　参道は山門の直前で県道と交差している。　
　前回は　それほどではなかったが、交通量が（土曜日の10時半頃としては）多く、横断歩道の前に止まっていても　まず停車しない。
　車の途切れるのを待って、県道を横切り、山門をくぐる｡　
　駅からの所要時間１０分弱。
　前回は参拝後に所在に気付いた為、　叶わなかったが、今回は　鐘楼にて礼拝して鐘を撞く。
　春のお彼岸の最中であるが境内には　近在の普段着姿の老人が2名、ベンチにて休んでいるのみ、静寂そのもの。
　本堂　向拝にて線香を供え観音経、心経を読誦。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　千葉寺境内老銀杏　　　

　外陣の天井に　何か描かれているかと、本堂の内部を覗いていると　内部から老婆が済まなそうに　『内部には　入れないのですよ』　と　声を掛ける。

　了解して、別棟の納経所にて御朱印を頂く。
　境内には　大きな銀杏の木がある。（倒れる前の鶴岡八幡宮の大銀杏程の大きさではない、周りの囲いも簡素な造り。　また、本堂と山門の間の　ほぼ　真ん中の位置に無造作に生えているためか、また季節的に　未だ　新芽の出る季節前のためか、、不思議と　威圧感・圧迫感も無い。）　

　只、巨大な円錐形の突起が幾つも下に垂れ下がっている。
　街路樹としての銀杏とは異なった感じを受ける。

　再び、山門前で、車列の途絶えるのを待ち、横断歩道を渡り、満開の木蓮の下を通て、駅に戻り、京成津田沼経由、浅草に向かう。

区切り４回目（14，2，1，3，4番札所）（弘明寺、岩殿寺、杉本寺、安養院、長谷寺）

2014年4月1日

　14番札所弘明寺には、前回と異なり、横浜駅から市営地下鉄に乗換え、弘明寺駅にて下車。
　賑やかなアーケードの商店街の参道（車も一方通行で入ってくる！）を北進して山門前に到る。　（前回より1時間強早い8時半前に到着）
　石段途中に身代り地蔵菩薩が在る。

　鐘楼の鐘は撞くことを禁じられている。
　手を清め口を漱いで外陣にて読誦。
　境内からの商店街の眺めは前回の時ほど　感銘を受けない。
　２回目とは、このようなものかもしれない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　14番札所境内裏の桜

　大師堂にも参拝し、西門から出て、京浜急行弘明寺駅に向かうと　丁度北隣に見事な満開の桜。　周囲にはハイキング姿の　自分と同年輩の男女多数。

　前回と　同様、新逗子駅に向かう。　　新逗子駅から逗子駅前を通り、踏切を渡り、線路沿いに４年前の記憶を頼りに歩く。

道標に導かれ、右折、左折して　坂東３３札所の石碑の並ぶ小道を通り、2番札所岩殿寺山門前に到着。

　納経所の札を左にみて、石段を登り、奥の院に到着。
　読誦後、観音堂前より、相模湾を携帯電話にて撮ろうと試みるが、手前の木々に焦点が合ってしまい、断念。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2番札所岩殿寺山門　　　　　　　　　　　　　　

　観音堂裏の祠に参拝し、左手の猿田彦神社の前を通り、鉄製扉のカンヌキを開けて、アスファルトの道を右に辿り、道なりに坂を登ると、先ほどの祠の上に出る。　　　

　広葉落葉樹の枝上を走る栗鼠を認めながら　更に登ると　一段低い平地に観音像が在る。
　廻りが金属製の柵に囲まれ、傍には朽ちた東屋等があり、周囲の手の入っていない木々との調和の所為か、なにか　しっくりとはこない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2番札所奥の院から相模湾を望む

　鉄製扉に戻り、逆方向に進むと、見晴らしの効かないやはり草茂る１角に聖徳太子像が一体在る。
　　石段を降り、納経所にはいると。其処が本堂。　改めて、観音経偈と般若心経を読誦し、1番札所杉本寺への道順を教わり、出発。

　　暫くＪＲ線路沿いに県道を歩き、信号機を右折してかなり急な車道を登る。
　　間もなく道の両側には瀟洒な1戸建ての住宅が立ち並び、歩道に沿って、満開の桜並木がおよそ　1キロメートル強も続く。
　　前回の札所巡りでは2番と3番の間の県道のトンネル内通過時の排気ガスに往生して、今回はそれを避けるために、　　2番 → 1番 → 3番　の順に札所を巡るルートを選んだが、予期せぬこの桜花の歓迎に　仏様のありがたさを実感する。
　登りはやがて緩やかな下りとなり、　住居表示も逗子市から鎌倉市浄妙寺へと変わる。
　バス停もいつしか　行き先表示が『ハイランド循環』から『鎌倉駅』となる。　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　観音像

　前方からハイキング姿のご婦人のグループが景観を称えながら三々五々登ってくる。　
　やがて車道は県道204号線に突き当たり、満開の桜並木を後に、滑川に沿って杉本寺に向かう。

　2番札所を出発しておよそ５０分後に到着した1番札所杉本寺は山門からの石段と　本堂建家とが修復中だったが、参拝者は本堂内陣まではいれることができる。
　本堂入った処に納経所受付所があり、先着の参拝人が納経帳を提出するのを見て、自分も、読誦前に提出。
　前立ち観音の斜め前にて正座して読誦後、奥に回って本尊の直ぐ前にて拝礼。
　受付にて、3番札所への道順を尋ねると、『山門を出て右折して・・・・寺の手前を左に入って』と告げられる。
　　・・・寺の・・・・部分が良く聞き取れなかったが、なんとか判るであろうと　聞き直さずに出発。県道204号線を西に進む。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　1番札所杉本寺山門

　暫く歩くと、左からの車道が合流し、『釈迦堂切通』の札を確認。橋を渡ったところで、地元の婦人に道を尋ねる。
.　『釈迦堂切通しは、現在通行止めで歩行者も通過できない』と告げられる。
　　『坂東33札所の3番札所に行きたいのですが』　と言うと。
　　『バス通りに戻り、西進して辻説法に出て・・・・』　との説明を受ける。　山越えを断念。
　　後日、インターネットにて確認すると　辻説法に至る前に宝戒寺を過ぎた時点で左折して滑川を渡り、東勝寺跡の手前を右折して隧道を潜れば県道311号線に出られることが判明した。

2番札所安養院　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

しかし、このルートは　当日　自分のその後辿ったルート　（　妙本寺を左に見て　大町四つ角を左折して、安養院に至る　）　と時間的には大差なく、大凡杉本寺を出てから50分弱を要するであろう。

　３番札所安養院には前回と同じく、今回も　納経所の昼休み時間に到着したため、本堂向拝にて読誦して待機。読誦中、何組かの参拝者が来訪。

　北条政子縁の寺というが、境内に特筆すべき見る物無し。午後1時を待って、何人かの参拝者の後に、納経帳提出。

　坂東4番札所長谷寺には　3番札所より徒歩２５分にて到着。
　山門の手前、およそ１００ｍから、観光客で賑わい、入場券自動販売所に列ができるのは前回と同様。
　前回は紫陽花の見頃であったが、今回は山門を入ってすぐ右側に、桜の木々に混じり　紅白の木瓜の花が見事に咲き誇り　思わず　写真に撮る。
入山料３００円の価値は十分に合う。
本堂１１面観世音像の斜め右前にて読誦。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長谷寺境内木瓜の花

　納経所にて、御朱印をお願いすると、『坂東札所ですね？』と　念をおされた。　他に何の札所を兼ねているのか伺えばよかった。

　宝物館は今日から約１年間、休館とのこと。　眺望散策路にてフランスからの団体観光客と一緒になり、英仏チャンポンの会話に挑戦。こちらの言葉は判ったらしいが、先方の仏語は地名程度しか判らず。

　前回に比べ、時間に余裕があるため、弁天窟などを見た後、鎌倉駅に向かう。

坂東３３観音(２巡目)(３)