御府内８８札所(１５)

１５日目

平成２７年１１月１日

　　穴八幡社に西北側門より入り参拝。日曜の朝8時半だが、三々五々各門からの人出が絶えない。
　　正門の脇の南門から出て直ぐ隣の30番札所放生寺境内に入る。
　　本堂前には役行者の御堂もあり、念のため、打水をしている御婦人に、８８札所巡りにお参りに来たことを告げると、江戸３３観音の時と同様、本堂にてお参りしてくださいとのこと。
　　本堂内にて掃除中の女性に声を掛けると取込中なので、其処でお参りしてほしいとのこと。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３０番札所放生寺境内（朱色塀は穴八幡）
　

　　読誦後、御朱印をお願いすると　今日は1日で、特別な日なので11時過ぎに受け付けるので　出直して欲しいと素気なく言う。
　　いつもそうなのですか？　と伺うと　毎月1日と15日と○○日はそうだとのこと。
　　差替えようの御朱印は用意されていないのですか？と重ねて問うと、傍らの抽斗を開けて取出し、日付を記入して提出。　受領して本堂を退出すると先程の御婦人から『如何でしたか？』と声を掛けて頂く。一瞬　答えに窮す。

　　途中豊島88札所3番の竜泉院にて、御本尊が拝顔できるよう、正面扉をわずかに開けて頂いている向拝にて参拝する。気持ちが落着く。

　未だ1週間の後であるのに、早稲田祭の立看の立つ通りを抜けて神田川を渡り、38番金乗院に到着。
　本堂賽銭箱の上に　『法要中につき、読経禁止』　の札が置いてある。
　　しかし、本堂内部に人の気配無く、境内にも、１台のワゴン車が停まっている他、人影無し。
　念のため寺務所で確認すると『間もなくはじまる』　とのこと。
　ワゴン車から僧侶と思しき男性がスーツ姿で降り立ってくる。
　承知して本堂向拝にて小声にて観音経１巻他心経等を読誦し、真言を唱える。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　金乗院境内の石像

　　次に『新長谷寺』と表示されている不動堂に登り、同じく読誦し、不動真言を唱える。
　講談で有名な侍の墓が在るので、今回は視てみようと思ったが如何なる訳か歩みが進まず、墓地の途中から引返す。
　預けておいた御朱印帳を寺務所で受取っていると、私と同年輩のハイキングスタイルの男性５～６人が缶コーヒー？片手に声高に語りながら境内に入り、そのまま寺務所に向かってきた。
　入違いに境内に出、諸像を撮っているとタクシーが乗付けられ、黒衣の女性が御供花を手に降り立った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５４番札所新長谷寺

　３５番札所根生院には　数分にて到着。

　　以前、江戸３３観音を巡っていたとき、知らず、この札所の前を通過していたことに気付く。

　手入れの行き届いた、中に入るとほっとするような穏やかな感じのする境内である。（後日、何故　あのような感じを受けたかと考える。諸像等の配置の妙か？露座の大仏の表情からか？　・・・・　）
　正面階段を上ると、曇り一つない磨かれた硝子戸越しに本堂内部がすべて開示されている。
　畏れ多く、写真を撮ること憚られる。向拝にて読誦。
後日思うに（過日の竜泉院と同じく）無心に読誦できた札所の中の一つである。
階下の庫裏にて住職より納経帳に御朱印を頂き、退出。
３５番札所根生院山門

　

　手摺が両側に設置された急勾配の富士見坂を登り、目白通りに出る。
　文化祭の看板の出る、日大豊山高校の校門前は華やかである。

　その隣の山門を潜り、８７番札所護国寺の境内に入る。
　正面不老門前の石段への山門からの距離感は小学生だった頃の感覚の４乃至５分の１である。

　右手のベンチには和服姿の女性等数グループが　待ち合わせなのか　腰を下ろしている。
　石段下の桂昌院寄贈の手水にて清め、本堂に向かう。
　
大仏前辺りから本堂前にかけて数十名の喪服姿の男性・女性が集まっており、一斉に本堂に向かって移動を開始したところであった。何人かが卒塔婆を纏めて奉じている。　本堂正面の引き戸は全て全開である。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　８７番札所護国寺仁王門

　躊躇したが右手の扉に前回伺った時と同様、『一般入り口』の貼紙があったので、靴を脱ぎ内部に入る。

　　本堂外陣には折畳椅子が１００前後？並べられ、世話焼きらしき人が着席位置を前に移動するよう促している。

　　納経受付所に御朱印帳を差出しながら『法要がはじまるのですか？』と伺うと、『ええっ　１１時からです。大丈夫ですよ』　と言って、態々席を立ち、私のために専用の布張り椅子を用意し、後部売店の横に据える。
『申し訳ないですが、其処でお参りしてください』
恐縮し、輪袈裟、数珠を取出し、経を小声にて読誦。用意された椅子はほぼ満席となったようである。
正面扉が全開されているため、堂内の壁、天井、柱、長押等、前回訪れた際とは違い、文様、彫刻等が隈なくよく見える。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　護国寺境内の大仏

　好機と椅子に座ったまま見上げ鑑賞することができた。
　司会者が『定刻になりました』と告げ、貫首？以下約１０名の僧侶が着座して読経が始まる。
静粛に席を立ち、受付にて御朱印帳の返却を受け、配慮を謝し本堂を退出。
振返り改めて堂の左側に掲げられた看板を読むと　さる著名な団体の代表の三回忌法要であった。
右手の月光殿の前にはテントが張られ、御茶会の受付が設けられていた。
不忍通り惣門前から都バスに乗り、文京シビックセンターに向かう。

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